第113章 ドッキリは心臓に悪い
「主はんは自分のこと嫌いなんや。あきまへんねぇ……自分なーんもしとらんのに」
部屋に入ってきたのは明石本人だった
「話は山姥切国広から聞いたんやけど、自分はその明石国行とはちゃいますから。変に距離置かれると嫌な気分になりますわ」
彼の言葉が棘のようにグサグサ刺さる
ごめんなさいと言おうとしたら鳴狐が私の唇に人差し指を置いた
「主は刀とは違って心がある。人間だから、傷が癒えるのには時間がかかる。だから、いきなりそんなこと言わないでほしい」
「本人の口から聞きたいんやけどなぁ。なぁ、主はん。あ、謝罪なんていらんから」
ゴクリと生唾を飲み込む
なんと返したらいい?どう返すべきなの?
主として、返す言葉は何が正しい?
彼の目が鋭く私を見据える
「……改めてこの本丸に来てくれて、ありがとうございます。明石さんは明石さんだから。私は主だからしっかりしないといけないので、こんな審神者でも、頑張りますので……頑張るから、いらないって使えないって思うかもしれないけど、烏滸がましいと思うけど…」
「もうええわ、誰がそんな酷いことまで言うたんや?ま、これから頼んますね」
そう言い切り彼は出ていった
「あるじ、頑張ったよ」
鳴狐が優しい声音で言うも私の中では100点中マイナス50点だ
明石さんの立場になってみればどうしようも無い奴だ
呆れられたと思う