第111章 個体差
翌朝、物音がして目が覚める
部屋を出ると長義がいた
「おはよう、どうしたの?」
「おはよう、君が起きれているか心配でね。朝餉の時間だから起こしに来たんだが」
「ありがとう、支度するね」
まさか起こしに来てくれるとは思わず、急いで支度をした
「おまたせ」
「隈が……すまない、昨日は遅くまで相手してもらって」
「ううん、楽しかったから大丈夫!さ、行こ」
広間へ行くとチラホラと皆集まってきていた
そして長義がエスコートしてくれて向かい合わせに座った
「あれ、今日は燭台切と一緒じゃないのか?」
御手杵さんが長義の隣に座り話しかけてきた
「おはよ、光忠?そいえばまだ今日会ってない……」
「後で会えばいいと思う」
長義の言葉に頷く
「そうだね、食べ終わってからも時間あるし」
そして私の隣にまんばちゃんが来た
「長義、何を企んでいる」
まんばちゃんは私と長義を見るとそう言った
「何も企んでなんかないさ。昨日は主と一緒に少し飲んだから狼たちに食べられないか心配でね」
その言葉にそうかとまんばちゃんが返している
私は食べながら広間を見渡したら光忠と目が合って少し怖い表情をしていたけどすぐに微笑まれ、私は顔に熱が集まり、少し硬い笑顔を作った