第110章 ※幸
そのまま寝てしまったらしく、目を開けたら自分の部屋の天井だった
身を清められていたのか、隣には長谷部が私の様子を伺っていた
「すみません、主!俺としたことが無理をさせてしまって……」
「ううん、幸せだった、ありがとう、本当に幸せだったの」
私の言葉に彼は疑っているらしく何度も聞かれた
それから部屋を出て少し残っていた仕事をしようとしたところ全て手伝ってくれてあっという間に終わった
「俺は貴方のことをお慕いしてます。だから、貴方には幸せになってもらいたい。それが俺の願いです」
部屋でくつろいでいるとそんなことを言われてしまった
彼は優しいなと思う
多分前の世界にこういうひとがいたら好きになっていたのかもしれない
叶わない思いをしまいこみ、私は感謝を述べた
そして夕飯の時間になり広間へ行くと私に気づいた蛍丸や膝丸に腕を引っ張られ席に座った
「主、長谷部に何もされなかった?」
「俺らが同じ部隊だったから主の事が心配だった。なにもされていないか?」
二人から質問され大丈夫だよと返しておいた
なんだかんだご飯を食べ終わり、長義さんに話しかけられた