第109章 突撃本丸訪問
「…非常に申し上げにくいのですが…私、お見合いの件をお断りしたんです……本当にごめんなさい」
頭を下げてどうにか本当のことを言った
握られていた手は離れ、彼を見るとは?みたいな顔をしている
「あ、あの、本当に申し訳ないので、良ければ上がってください…嫌でなければでいいので…本当にすみません」
「え、あ、いや、その…なんか俺の方こそすみません。嫌では無いです…ただ、驚いてしまって」
「せっかくだし上がらせてもらおうよ。ここの僕も気になるし」
「燭台切、厚かましいなお前は!もう、誰に似たんだよ……」
「うーん、主だよね?」
そんなやり取りを微笑ましく見てしまい、2人は苦笑いした
早速2人を客間へ案内した
光忠が客間で待機をしていて丸テーブルを囲むように座ると彼はお茶とお菓子を用意してくれた
「田中さんと燭台切さんって仲良いんですね」
お茶を一口飲んで話題を振ってみた
「僕は仲がいいなんて思ったことないよ。うちの主今回みたいに抜けてるとこがあるから目が離せなくて、保護者みたいなものだよ」
「言い方!言い方ってもんがあるでしょ!?これじゃ、誤解されちゃう……」
狼狽える田中さんを後目に燭台切は続ける
「この前なんか、提出物に印を押し忘れて焦ってたし…しっかりしてるように見えるけど見た目詐欺だよ…佳奈さんはお見合い断って正解だよ」
辛辣な燭台切さんと狼狽えている田中さんが面白くてたまらない
見ていて飽きないなこの2人なんて思うと今度は逆に質問された
「佳奈さんはそこの僕とは上手くやっているの?」
その質問に光忠が口を開いた