第109章 突撃本丸訪問
「主!ここに居たか!」
突然部屋に鶴丸が入ってきた
「ちょっと来てほしい」
一方的に宗近から引き剥がされ、部屋から連れ出された
なにやら玄関が騒がしい
「主を今呼びましたので、用が済んだらお引き取り下さい」
廊下の角を曲がろうとしたとき長谷部の声がした
誰だろうと思うも訪問者に心当たりがない
「長谷部、連れてきたぜ」
鶴丸が私の前に立ちはだかり、長谷部に言うが訪問者の顔は2人の背の高さに阻まれて見れない
「主、こちらへ」
長谷部に手を取られて隣に立たされ真正面に立っている人を見る
そこには、お見合い騒動で指名した田中翔太さんと隣に燭台切光忠が居た
「……なにか私に御用でしょうか」
私はただその一言を言うと急に両手を握られた
「あ、あの!初めまして、突然訪問してしまいすみません。俺、田中翔太といいます。貴女とお見合いでマッチングしたと連絡が来て、いてもたってもいられず、挨拶をさせて頂こうと思い訪問しました!」
矢継ぎ早にまくし立てられて圧倒された
「…主、佳奈さん、困ってるよ……いきなりそんなに言ったら駄目だよ」
「す、すまん、燭台切」
私の本丸の光忠でない彼の燭台切に名前を呼ばれて少しむず痒い
というよりお見合いは断ったはずなのになんで?