第108章 ※おあいこ
「……酷いことして、傷つけてごめん…佳奈、ごめん」
「んッ、ううん、私の方こそごめんね、もう嫌いでしょ?私の事。これで最後だってケジメをつけに来たの」
「なんで最後だなんて、そういうこと言うの?」
力いっぱい抱きしめられ少し苦しい
「実は、花街はいったけど、そういう行為をしてない…お酒だけ飲んで、帰ってきた…やっぱり君を思い出したら無理だったんだ。でも君を見た時、嘘をついてしまった。ごめんね、本当にごめん」
「……私、言葉足らずだった。こんなことして、ごめんなさい」
「…夜這いはよくないよ」
はいと言うしかない
慣れないことをして、疲れてそのまま抱きしめあったまま私は眠ってしまった
翌朝、起きると繋がったままで、腰とお腹が重く、眠ってしまったあとも抱かれていたのかなと思う
何はともあれ、花街に行って何もしなかったと言う言葉を信じるしかない
たとえ嘘であろうとも、私は見ていないのだから彼の言葉を信じるしかない
「……佳奈」
「…おはよ」
「もう少しこのままいいかな」
布団の中でギュッと抱きしめられる
しばらくそのまま時間が過ぎていった
その後、お風呂に入ってこんのすけを呼んだ
部屋にはこんのすけと光忠と私がいる
「こんのすけ、お見合いの話本当に無くしてほしい。本当に無理です」
「僕からもお願いできないかな?主を他の男に取られたくないからね…それに僕そこに乗り込んで相手の人間斬っちゃうかも」
”審神者様はタダ飯食べれるって意気込んでたじゃないですかぁ!!………でももう仕方がありません……今回だけですよ?今回だけ特別措置にします”
こんのすけに伝えると速やかに消えていった
「タダ飯ってどういうこと?」
「えっと、その、お見合いしたくなくて、光忠がいるから無理って言ったのに、こんのすけは高級なご飯を食べるだけでいいので相手の男の人と会ってほしいみたいなニュアンスだったんだよね……」
「そういうことか…君らしいね」
そう言って頭を撫でられた