第106章 飲まれる
「和泉守、俺もう立ち直れない、助けて」
「俺に言われても、俺だってなぁ……国広、助けろ」
「えぇ、僕?兄弟助けてよ!!この酔っぱらいたち怖い!」
堀川が山姥切と山伏の後ろへ隠れた
「俺は偽物なんかじゃない!俺は綺麗だ!そうだろう?兄弟!」
「カッカッカッ、そうであるな!兄弟、国広一同皆綺麗であるぞ!」
酒の酔いが回りきっているほとんどの刀剣が会話のドッジボールをしており、収拾がもはやつかないでいる
「ののじ〜!主とみっちゃん、付き合ってるんだってよ!」
「やっとかい?もう、いっその事祝言を挙げてほいしいところだね」
「は!?無理なんだけどそれ。冗談でもやめてよ!」
「安定!そうだよね!もう誰か俺を癒して、岩融、今剣、数珠丸さん、にっかり!俺を癒して」
加州はおぼつかない足取りで岩融になだれ込む
「はっはっはっ!皆飲みすぎだ!」
「みなさん!さけはのんでものまれるな、ですよ!」
「そうですね。今日は皆さん羽目を外してますね……」
「まぁでも、この位がいいんじゃないかな?みんな飲まれてしまっていいんだよ、酒のことだよ」
どんちゃん騒ぎの中、蛍丸率いる乱と太鼓鐘以外の短刀たちが佳奈を囲っていた
「主起きないね」
蛍丸が頬をつつきながら言い、薬研が酔い覚ましの自作シートをおでこに貼り付ける
「疲れているのでしょう。布団の用意をしてきます」
「平野が行くなら僕も行きます」
前田と平野が部屋を出ていき、五虎退は佳奈の手を握りながら顔を撫でる
「主様、起きてください」
「んー、っ、五、虎退?」
「主様!」
「かわいい〜」
朧気な目で五虎退に抱きつき、身動きが全く取れない五虎退は慌てる
そこれ前田と平野が戻ってきて、薬研と一期一振が部屋へ運んだ