第106章 飲まれる
「主、申し訳ないことをした。長義と話をつけた」
「あぁ、国広と話をして、もう写しどうのこうの言わないと、言った。すまなかった」
頭を下げる2人に私は立ち上がって、2人の目の前に行き顔を上げさせる
「私こそごめんなさい。平手打ちして、本当にごめんなさい。皆を困らせることしか出来なくて……申し訳ございません」
私が謝るとまんばちゃんが私の口に手を置いた
「謝らなくていい。元はと言えば約束事を破ったのがいけなかった。だからもう、主は謝らなくていい。俺は主の初期刀として失格だ」
「山姥切くん、主を困らせないで。失格だなんて思わないから、そうでしょ?」
まんばちゃんに口を塞がれたまま、話せない私は勢いよく頷く
「……そうか」
手が離れて、私はまんばちゃんと長義さんと目を合わせる
つくずく顔がやはり似ていると思う
「……これからも、こんな主ですが、よろしくお願いします」
2人に向かって握手をした
その後、特命調査慰労会とこの本丸に新たに顕現した刀たちの歓迎会を開いた
広間は既に盛り上がっている
御手杵さんと日本号さんに長義さんは呼ばれて、歓迎組の席に座った
私は次郎さんに呼ばれてしまい、そこへ行くと酒瓶を口に入れられ一気させられた
「主〜今日は、潰れるまで飲もうね〜」
無理矢理飲まされつつ次郎さんがそんなことを言う
何とか飲み干し少し視界がぐらつく
「次郎太刀!この私がおつまみを持ってきている間に、主に何をしているのですか!」
「あはは、楽しく酒を飲んでいるだけさ!」
「……じろさん、ぎぶ、おやすみ」
一気にアルコールが巡り、頭もぼーっとしてそのまま次郎さんの太ももに頭を預けた
「アンタ普段から飲んで無さすぎじゃないの?」
眠る佳奈に声をかけるももちろん反応はなく、太郎太刀が次郎太刀に鉄槌を下した
「いった!何すんのさ!」
「無理に飲ませるなど言語道断です」