第105章 弱い自分
今度は強く揺さぶると、佳奈は目をこすって起きた
「ねぇ、これ、どういうことか説明してくれる?」
テーブルの上の錠剤を持ち佳奈を問い詰める
半分寝ぼけている佳奈はただそれを見つめているだけだ
「佳奈、なんで睡眠薬なんて飲んでいるの?」
目を見て話すも佳奈の反応は鈍い
燭台切は見かねて、コップの残った水を佳奈に飲ませた
すんなりと水を飲み、少し覚醒したのか驚いた表情をする
「佳奈、これは?」
「……ごめんなさい。私、特命調査の少し前から眠れなくて……皆に言うと戦場に出てる皆は心配するし、それで戦況に変化が起こったりなんて思うと、ずっと黙ってた」
「主が体調崩したら僕達は心配だよ。こんなもの飲んで、万が一体調崩したらどうするの?言ってほしかったよ、僕は」
「……そうだよね…ごめんなさい。私、主、失格だね…もう何もかも駄目なのかも。頼るねって言っても頼れないなんて、本当に主として、失格だ……何回も同じ過ちを犯して、ごめんなさい」
「君は何でも抱え込むから心配なんだ。だから僕はここにいる。君は自分にもっと素直に生きないと駄目だよ。主失格なんて思ってない。佳奈、君自身がいないと僕はここには居ない。だからさ、相談してくれるかな。誰でもいい、僕以外でもいいんだ」
光忠の言っていることは正しい
私は過去に囚われすぎている
愛され方、頼り方なんて幼い頃に忘れてしまった
自分に素直に生きるなんてことは、幼稚園生か小学校低学年くらいまでしかしてない
周りが怖くてずっと自分を偽り、はみ出さないように頑張ってた
10年以上もそういう風に生きていたから、いざ言われると難しい