第105章 弱い自分
「佳奈、入るよ?」
燭台切は心配になり、部屋の中にいるであろう佳奈に声をかけるも、返事がなく静かに襖を開けた
そこはもぬけの殻でテーブルの上の紙に気づきそれを読んだ
少し頭を冷やします。
急用があれば離れへ、用がなければ来ないでください。
簡潔にそうが書かれていた
いつもこうやって抱え込んでしまう主の悪い癖だ
こういう時、何を言っても聞き入れてくれないだろう
だけど、心配だから僕は離れへ向かった
離れへ行くと何もかも閉めきられていた
外界との接触を固く拒んでいるようだ
「…佳奈」
扉の前から名前を呼ぶも反応はない
「開けるよ?」
強行手段に出ることにした
扉を開けると、佳奈は布団で眠っていた
ただ眠っていただけかと思っていたら、ローテーブルの上に水が残っているコップと、白い錠剤が置かれていた
焦ってそれを見ると睡眠薬と書かれていた
佳奈を咄嗟に揺さぶる
すると少し寝返りをうったが目を覚まさない
何故、睡眠薬なんてものを使っているのか
僕の中で疑問が浮かぶ