第104章 いざ山へ
この本丸へ来て初めて山へ登る
時々山伏さんが手を引いて引っ張りあげてくれて、運動不足の私はとても助かる
「少しここで休憩でもしよう」
「そうしよう、是非ともそうして」
「相分かった」
少し開けた場所に出て、もう体力が無さすぎて休憩という言葉に飛びついた
「ここは本丸が一望できる場所だ。全て忘れて無心になるが1番だ」
確かに景色がとても良い
空も晴れていてとても気持ちがいい
「……ありがとう」
「うむ!主殿の心が休まればそれで良いのだ」
新鮮な空気を胸いっぱいに入れて深呼吸する
「さて!頂上に行くとしよう!」
「はい!」
それからまた歩き始めた
体感時間は30分くらいだろう
山頂へ辿り着いた
「主殿、兄弟のことで思い詰めてしまったのではないか?兄弟は主に感謝をしていた」
「感謝?」
「ああ、兄弟は主は写しである俺のことを偽物とは違うということを分かってくれていたとはな、と」
「そんな、私はただ」
「カッカッカ、それで良いのだ主殿。拙僧は主殿が俺たちの良き理解者であることに変わりはない。それで良いのだ」
山伏さんの言葉は軽く言ったけど、心に刺さった棘を抜いてくれた
「ありがとう……私もっとみんなのこと分かっていけるように頑張る…あと、もっとみんなに頼るようにする、本当にありがとう」
「うむ、では本丸へ戻るとするか」