第99章 睡眠は大切
しばらく時間が経ち、平野藤四郎は朝餉の時間を知らせに本丸中を歩いていた
「鶯丸様」
「あぁ、平野か……もう朝餉か?」
「はい、なのでお呼びに来たのですが……」
「そうか。主が眠れなかったと言っていて少し前にやっと眠ったところなんだ。だから起きるまで俺がついてなければならない。朝餉を俺と主の分残しておいてくれるよう頼めるか?」
「わかりました。では、僕は行きますね。後でお茶でもお持ちします」
「そうしてくれると助かる」
平野は茶室をあとにし、鶯丸は佳奈の髪に触れる
自身の膝の上で眠る主は華奢に感じた
こんな華奢な自分からしたら赤子同然の女子が、主として審神者としてこの本丸にいることが奇跡だと思う
ふと外が騒がしいと思って起こさないように意識をそっちへ向けると、どうやら昨日乱闘をしていた2振が主を探しているようだ
俺は少しでもこの時間が続いて欲しいと何故か思った
だから絶対にあの2振には伝えまいとした