第98章 無心と徹夜
「こんなボロボロでなにしてんの?馬鹿なの?脳筋なの?2人で話し合って酔い覚まして反省して。私はもう知らない。おやすみ」
スタスタとそれだけ言って出ていく佳奈
それを目で追う床に座り込む2人
背を向けて歩く私に後ろから主なんて声がしたけど無視だ無視
あんな傷だらけになるまでやるなんて思わないし、傷だらけの姿がとても悲しいし、傷ついている姿を見るのが嫌だと知っているはずなのに、あんなになるまでなんてムカついてくる
今回ばかりは心を鬼にするって決めた
どんとん遠ざかっていく佳奈
鍛錬場に取り残された2人は目を見合わせる
「……ごめん。髭切さん、僕、本当にどうかしてる」
「…謝るのは僕の方だよ。元はと言えば僕がいけないことをしてしまったからね……ごめんね」
「そんな、僕が悪いんだ。本当にごめん、申し訳ないよ」
「そんなことない。刀として年の功が上の僕がしっかりしていないといけないのに、主にあんなことしてしまった。謝るのは僕だよ。もう謝り疲れたからやめにしようか」
謝り合戦も髭切の一言によって終わり沈黙が包み込む
「…主ブチギレてたよね……明日、謝りに行こう」
「そうだね……あれは鬼だったよ……鬼切丸とも呼ばれた僕でさえ怖かった」
2人はそんな会話をして鍛錬場に横になり、疲れきって眠ったのであった