第97章 夜の鍛錬場
「…まんばちゃん、写しなんて関係ない。清光くん、貞ちゃん、あとはお願い。ちょっとまんばちゃんとお話するから」
外の2人に声をかけるとわかったと言って足音が遠ざかっていく
気を取り直して立ち尽くすまんばちゃんを座らせて、私も目の前に座る
「なにがあったのか、教えて。私が原因なのはわかってる」
「…主、髭切に歯型付けられただろう?それだ。燭台切はそれに対して問い詰めて髭切は主に無体を働くことを問い詰めたんだ…そしたら喧嘩が始まった。俺は止めることが出来なかった。一部始終を見ていたのにな……初期刀として古くからここに居るのに、まとめることさえ出来ない」
下を向いて拳を握るまんばちゃんの姿は小さく見えた
「……まんばちゃん、なんで私が貴方を選んだかわかる?自分を認めてもらいたいって言うのを見たんだ。私もそうだった。だから貴方を選んだの。私は刀工国広第一の傑作の貴方を尊敬してるから、写しなんて関係ない……それに、止めに入って怪我しちゃったら嫌だから」
「主は、優しいんだな。本当に」
そう言って微笑むまんばちゃんはすごく綺麗だ
「優しいのが私の取り柄だからね!ちょっと私制裁を与えてこなきゃ」
言うが早いか私は立ち上がり、痛む体を力を振り絞って動かす
見兼ねてかまんばちゃんは体を支えてくれた
「主、無理をするな」
「時には無理しないといけないでしょ」
支えられて向かう先は鍛錬場