第97章 夜の鍛錬場
光忠のあの表情が忘れられないまま軽食を取って、疲れた体を休めるために早々に布団に入る
「主、起きてる?」
時計が21時を回る頃、襖の外から声がした
浅い眠りに入っていた私は目を擦って声の主にどうぞと声をかけると、清光くんが入ってくる
「あのさ、燭台切と髭切何かあった?鍛錬場で2人がやけ酒した後に喧嘩じみた手合わせしてるんだけど…ギャラリーも多いから抜けてきちゃった」
清光くんの言葉に冷や汗が流れる
「止めに行かないと、止めなきゃ、私のせいだから」
独り言のように言って私は立ち上がろうとしたけど、体が痛くてそれは叶わない
少しよろけた私を清光くんが受け止める
「無理しないで、体が壊れたら元も子もない。とりあえず止めさせてくる。もう寝ようとしてたよね?ごめんね。主はゆっくり休んで」
「加州!」
部屋から出ようてとした清光くんを呼び止める声がした
声的に貞ちゃんっぽい
「みっちゃんと、髭切さん、やばいことになってんだよ!早く来てくれ、あんな酔っぱらい手に追えねーよ」
「太鼓鐘!ここ主の部屋の前だから!」
「あっ、やっべっ」
貞ちゃんがめっちゃ慌てている
やり取りが全部丸聞こえだ
「加州!俺ではもう手に負えない。太郎太刀と石切丸が何とか止めに入ったが…」
「山姥切!!ここ主の部屋の前!」
「俺としたことが……写しだから、俺としたことが……」
「とりあえず、まんばちゃん、入ってきて」
私はとりあえず状況を聞こうと思い外にいるまんばちゃんに声をかけてみる
すると、布を深く被ったもう布の物体が入ってきた