第96章 ※無言の表情
頭を撫でられる夢を見た
すごく幸せだった
そろそろ起きようと思って目を開けた
体が重い
「あ、起きた?」
「髭切さ…………み、光忠、おはよ」
髭切さんかと思って、近くにいた影を見たら光忠だった
やらかした
思い切りやらかした
「まだ寝ぼけてるね、もう夕方だよ。起きないとね」
「ごめん、顔洗ってくる」
立ち上がろうとしたら腰も痛くて並々注がれた液が漏れて来たのがわかった
「とりあえずこれ飲んでお風呂行こうか」
水を飲まされて、私が立てないことを悟っているのか抱っこしてお風呂へ向かった
服を脱ぐと光忠も一緒に脱いでお風呂に入って、私は自分の体を見ると歯型があった
それを見て私はそこを撫でると光忠は目を細めていた
「髭切さんが付けたみたい……」
「…そうなんだ、光忠嫌だよね、私は大丈夫だから、先に出て大丈夫だよ」
「ううん、大丈夫だよ。佳奈はみんなの主だからね」
そう言った光忠の表情は固い
「……ごめんなさい、こんな主で、本当に」
「少し嫉妬しちゃっただけだよ。ごめん」
なんて言ってたけど光忠の表情はとても怖かった
でも、もう付けられてしまったものは仕方がないからどうすることも出来ない
それからお互い無言のままお風呂から出た