第95章 ※初めての優しさ
いや、まてまてまてまて!!!!
非常にやばい
抱き潰されるぞ確実に
パソコンを閉じてバタバタと廊下を走って光忠を追うも姿は見当たらず、貞ちゃんの姿を見かけて声をかけた
「貞ちゃん!光忠見てない?」
「みっちゃんか?みっちゃんなら万屋へ行ったけど、頼み忘れか?」
「いや、それなら大丈夫!」
なにも大丈夫じゃないぞこれは!!!
あぁ、どうしよう、やばい
しかも私処女なんて……
あんな痛い思いするのは嫌だ
二度とゴメンだなんて思ってたのに
私は貞ちゃんにお礼を言って元来た道を戻り、縁側に腰をかけて晴天の空を見上げた
「あれ、主どうかしたのかい?」
「主が縁側に座るなんて珍しいな」
「兄者と膝丸さん、こんちは」
「主、兄者は兄者でも俺の兄者だぞ!どうかしたのか!?」
「ふふ、主が妹かぁ、なんかいいね。ね、膝丸」
「あ、あ、あ兄者、俺の名を、俺の名を!!!」
そんな源氏兄弟のやり取りをみて私は笑った
「少し疲れちゃったから黄昏てただけだよ」
「うんうん、息抜きも大切だよね。膝丸、そろそろ僕達も畑当番に行こうか」
「ああ、そうであるな」
膝丸さんは泣きながら応えていた
そんなに嬉しいのか
嵐のように源氏兄弟は去っていった