第91章 はめ込まれたパズルのピース
泣いて燭台切さんに縋り付いてそれからの記憶は曖昧だった
いつの間にか眠ってしまったらしい
目を覚ますと布団に寝かされていた
手に温もりを感じて寝っ転がったまま両手を見ると、燭台切さんと山姥切さんが私の両手を握っている
「………起きたか」
山姥切さんが私を見て言った
「目が覚めたんだね」
燭台切さんも続けて言った
「…………っ、私、ごめんなさい……………」
「……大丈夫だ。佳奈、落ち着いたか?」
「どうにか………すこし頭痛いですけど」
「もうそろそろ夕餉の時間なんだけど、食べれそう?」
「…は、い。食べ、ます」
掠れた声で答える
食べなきゃいけない気がした
お腹なんてまったく空いてないのに、なぜかは分からないけど口が勝手にそう答えていた
しばらくして山姥切さんと燭台切さんは部屋を出ていった
長いこと経つと部屋に燭台切さんがお粥を持ってきてくれた
「お粥なら食べれそうかな?」
「わざわざ、すみません」
「いいって。食べたら外に出しておいてね。何かあったら誰か呼ぶんだよ?」
「はい」
そんなやり取りをしてテーブルに置かれたお粥を見る
部屋には私とお粥だけになった
起き上がって座っていた布団から出て座布団に座った
熱々のお粥は美味しそうだったけど食欲がなかった
とりあえず1口だけ口に運んで嚥下した