第90章 ぶつかる目
私の隣に歌仙さんが座って、燭台切さんの隣に和泉守さんが座った
俯いたまま沈黙が続いてとても気まづい
「………主、傷つけてしまってごめんなさい」
燭台切さんの憂いを帯びた声が聞こえ私は少し顔を上げた
「………燭台切さん、私、貴方が、怖いです」
「君の、記憶が戻っても、僕と前の関係に戻るのはやめ「でも!私は鶴丸さんと大倶利伽羅さんから、話を聞きました。私は貴方と話がしたかった……」
燭台切さんの言葉を遮って言った
私は少し顔を上げた顔をまた膝元に戻す
隣の歌仙さんが膝元できつく結んだ私の手を、解すように握ってくれた
「……貴方に言われた言葉が辛くて、苦しかった。でも貴方の本心じゃないって、知って、私が眠ってた時、目を少し覚ますと、貴方が私の手を握ってくれてたのを、見ました」
私はそう言うと燭台切さんは片手を顔に当てて下を向く
「…起きてたの?僕は寝てると思っててつい…………ごめんね」
「嫌じゃなかった………その手に安心しました」
「えっ………」
「だから、私は貴方と仲直り、したいです………頑張って記憶を、戻すので、お願いしますっ」
なんて言われるのか怖かった
これでもし拒絶されたら本当に心が折れそう
私は燭台切さんを見上げると目を見開いていた
隣の和泉守さんが燭台切さんを見ると腕でつついている
「燭台切、なんか言えよ。主が困ってんだろ」
「………っあぁ、ごめん…………うん、僕は君に酷いことをした。だけど僕の方こそ、僕から言わなければいけないのに、言わせてしまった。これからも、仲良くしてください。僕と仲直りしてください」
「燭台切、さんっ…ありがとう、ございます」
私は安心して泣いてしまった
私はいつも逃げてばかりだった
でもここでは皆が向き合ってくれる
申し訳なく思うけど皆が助けてくれる