第89章 逸らした目
話をしながら皆と食べて、私はふと広間全体を見渡す
燭台切さんと目が合って逸らされてしまった
やっぱり彼は鶴丸さんが言ってた通り私のことを見ているんだと思った
いずれ話をしないと
と思う
それからご飯も食べ終わって、食器を下げに行こうとしたけど和泉守さんに奪われてしまった
そして数珠丸さんに手を引かれて広間からでた
その頃厨には燭台切と和泉守がいた
「燭台切、主がアンタのこと見たとき目を逸らしたよな?オレ見てたんだからな」
「…っ、和泉守くん、どうして」
「当たり前だろ?主の目線の先にはいつもアンタがいるのは前から変わらねぇ。だからオレは今日アンタと主の仲を戻す。これが終わったら部屋に行くぞ」
「……う、うん」
厨ではそんな話をしていた
数珠丸さんに手を引かれて入った部屋は、打刀の人達が集まる部屋だった
「そこに座ってください。今日は少しばかりお話をしましょう」
数珠丸さんに言われて素直に座る
綺麗な人すぎて素直にならないわけがない
そして歌仙さんと和泉守さん以外の打刀と脇差の全員が入ってきて私の周りに座った
それから私は正座をして姿勢を正した
数珠丸さんはここにいる刀剣達の刀だった頃の、持ち主の主との関係や歴史について、わかりやすく教えてくれた
元々歴史は好きだったから苦ではなかった
逆に楽しく話を聞いた
かれこれ1時間くらい経った頃、歌仙さんと和泉守さんが入ってきた
「少しばかり休憩しないかい?お茶を淹れてきたんだ」
「主の足も痺れていそうだから、休憩するぞ」
「それもそうですね。少し休憩しましょうか」
和泉守さんの言う通り1時間くらい正座してたから足が痺れている