第88章 射抜く目
強い日差しで目が覚めた
ゆっくり目を開けると、私の手を握って眠っている燭台切さんがいる
怖くてでもどうすることも出来ない
大嫌いって言われたのに、どうして
また寝てしまおうと目を閉じる
直ぐに眠りにつくことが出来た
どれも辛い記憶の夢を見た
皆から拒絶されて、線路に立っているとカンカンカンカンと電車の来る音がした
物凄いスピードで電車が走ってきた
私はそれに轢かれた
轢かれてぐちゃぐちゃになった私を私が近くで立ち尽くして見ている
ぐちゃぐちゃになった私が
辛いなら逃げろよ
と血まみれの顔で叫ぶ
なんで私は今も生きてるんだろう
そう思うばかりで、また目が覚めた
どうやら夕方みたいで、西陽が入ってきて眩しい
誰もいなくて、私は痛む体にムチを打って起き上る
誰もいないことを確認して部屋を出て外へ出た
満開の梅が植えられている、誰もこなさそうなところに行った
誰とも関わりたくなかった
小高くなってる所へ来ると木の幹を背にして寄りかかるように座る
何もかも疲れた
なんで私は屋敷に戻っているのか分からなかった
みんな私の事何とも思ってないはずなのに
私なんてお荷物なのに