第11章 改めて
私は所謂お誕生日席というところに座らされ、大太刀と岩融さんが、大きなテーブルをどこからか引っ張り出してきた。
光忠と一期さんと脇差達は何やら軽い夕飯を食べた後なのに、ケーキやらチキンやらクリスマスに食べるようなものを運び、打刀達は酒やらジュースやらを大量に運んできていて、短刀と他の太刀と蜻蛉切さんは部屋を装飾していく。
私もなにかやろうとしたら全力で安定くんに止められた。
「主は座ってて。主役が動いてどうするの?」
すごい剣幕でそういわれ、はいとしか言えない。
「おんしはまっことに別嬪さんじゃのぉ!ワシらを家族同然と思っていいきに、これからもよろしゅうな!」
「陸奥守、主を口説いている暇があるなら手を動かしてくれ」
「まったく蜂須賀はうるさいのぉ~、ちっくとばっか話しただけじゃろが」
「争いごとは雅じゃないなぁ。主が困るからもっと優雅にやろうか」
「伽羅ちゃん!それはダメだって!!!」
3人のやり取りを見ていると光忠の大きな声がする。
「何が」
「何って、なんで伽羅ちゃんがそのお酒飲んでるの!?」
「いいだろ、別に」
「良くはないよ、それこの本丸の中で一番高いやつなんだから」
なにやら大倶利伽羅こと伽羅ちゃんは一人で先に酒盛りを始めていたらしい
「しかもなんで勝手に始めてるのさ」
「酒があったから」
「何その目の前に山があるから登る!みたいなの」
彼らのやり取りが親子にしか見えなくてこらえきれずに大笑いした。