第10章 信
長々と話してる間、みんなの顔を見たら表情を曇らせたりしているのが見えた。
「そんなこんなで、私はここまで生きてきました。周りに流されたり、逃げ道を作っていつも立ち向かわないで逃げてばっかで、性格悪い使えない奴で軽蔑しましたよね。汚い部分ばっか出てくるし引きましたよね」
話し終わってすぐ自分の正座した膝をみつめる。皆の顔を見るのが怖かった。
「それでこそオレの大将だ。自分の嫌なところを全て話してくれた。こんないい人間嫌いになるわけない」
「厚のいう通りです。そういう経験をしたからこそ相手を思いやれるのではないですか」
「綺麗事ばかりじゃ審神者は務まらないだろ?そんくれぇ、汚ぇ方が親近感湧くからアンタはそのまんまでいい」
「兼さんいいこといいますね!さすが兼さん!」
「あったりめぇだろ!オレを誰だと思ってる」
厚くんに和泉守さんまでがそう言ってくれて、少し気が楽になったけど顔はやっぱりあげれなかった。
「……長々とありがと、ございました。こんな主と名乗ってもわかりませんが、文句があったりするかもしれませんが受け入れてくれて、ありがとうございます」
私の言葉に頷いてくれた。
「カカカ、では正式に主殿の歓迎会をせねばな!」
「おお!いいねぇ!兄貴!準備するよ」
山伏さんと次郎さんの声で何故か私の歓迎会をすることになり、夕飯が軽食だったのはその為かと腑に落ちた。