第86章 失踪と捜索
「主ー!」
「主君ー!!」
「いたらへんじしてくださーい!!!」
平野、前田、今剣が木に登り枝から枝へと飛び移りながら叫ぶ
同田貫に小夜が肩車をされ、骨喰は隠れられる場所がないか目を凝らしていた
「この辺には居ないみたいだね……」
「どこかと合流しよう」
小夜と骨喰の言葉に同田貫は頷く
「平野、前田、今剣、他の奴らと合流する。とりあえず声の聞こえる方に歩くぞ」
「「「わかりました!」」」
3人はハモって言うと他へと移動した
「鳴狐、大将のハンカチを持ってきたんだお供に嗅がせて探そうぜ」
「それは名案だねぇ。でも狐ってそういうこと出来るのかい?」
薬研の提案に青江が反応するも素早くお供の狐は口を開く
「私めは狐でございます。犬ではございません。それ故できないのです!!」
「……狐といえど私は刀なので出来ませんよ」
「……………そうですか」
鳴狐のやり取りを見ていた江雪が、小狐丸をガン見するも小狐丸にそう言われ、しょんぼりしていた
「あ、主様が、この暗闇で1人なんて、ぐすっ、可哀想です………ぼ、僕、あっちを見てきます」
「待て、五虎退。単独行動は無しだ」
五虎退は泣きながら言うも薬研にとめられ、それを見ていた青江は口を開いた
「ここら辺には居ないみたいだから、他と合流しよう。主は女の子だからそう遠くへは行けないと思うんだよね。それに奥深くに行って、この闇に紛れて妖でも出たら危ないからね」
「それもそうですね。にっかり殿、我々も行きましょう」
小狐丸もそう言って来た道を戻った