第86章 失踪と捜索
「あーるーじさーん!ボクと一緒に乱れよう!」
「大将ー!!」
乱と厚が高い木の上から叫んだ
「主は本当にこっちへ来たのか?」
和泉守が竹薮を掻き分けながら言う
「それが分かれば捜索隊なんて作らんぜよ。太郎太刀、何か見えたか?」
「いえ、何も。足跡とか手がかりがあればいいのですがね」
「皆さん、向こうからなにか来ます!」
堀川が何かの気配を感じ取り、みんなその方を向く
すると小虎が駆けてきた
「五虎退の虎じゃねーか」
木から厚と乱が降りると厚が言った
「虎くん!!走っちゃダメだよ!!!」
「五虎退!どうして」
「厚兄さん!えっと、皆さんと合流しようとしたら、虎くんがいきなり走り始めて」
五虎退が言うとその後ろからゾロゾロと歩いてきた
「向こうにはいなかったよ。和泉守くんたちはどうだい?」
「こっちも居ない……となるとあとは同田貫のとこと鶴丸のとこだな」
青江と和泉守がそんな話をしていると、同田貫達も現れた
「俺たちのところは居なかった、あんた達のとこは?」
「いや、居なかった…短刀達も探してオレ達も竹藪かき分けて探したが全くだ」
「僕の所もだよ。だから他と合流しようと思ってね」
そんな話をしながら裏山のベンチへ戻り、真っ直ぐ歩いていくことにした