第86章 失踪と捜索
佳奈が必死に自分から逃げたことが腑に落ちず、俺は屋敷に急いで戻った
「大変だ!!!主が、主が」
勢いよく広間の襖を開き大声を出す
「鶴丸国永、少しは静かにしろ!」
長谷部がなんか言っていたが、今はそれどころじゃない
「主が、裏山で、行方不明になった!!!探しに行くから、人手が欲しい、光坊、お前も行くよな?」
俺の言葉に皆目を見開いた
「……僕?僕はいいよ。僕、あの子が手入れ部屋に来た時、不愉快だから出て行って、記憶の無い今の君は大嫌いって言ったから、僕が行ったところでだよ」
光坊は今なんと言った?
主に対して暴言を吐くとは、とうとうこいつは頭がおかしくなったのか?
俺は光坊の胸ぐらを掴んだ
「主が、泣いていた。過呼吸にもなっていた。お前のせいで、主が死にそうだった、そして居なくなったんだ!!不愉快だから、消えるから、許せと、ごめんなさいと謝罪をしていた、お前がそんなことを、言うから!!!!」
「……っ、鶴さんは、僕の気持ちなんてわかんないよ」
「あぁ、わかるわけない、主の気持ちを分からない奴がわかるわけないだろう?あの人の子は、必死に記憶を戻そうとしていた、長谷部と山姥切から思い出を聞いていた。出陣して傷だらけになったお前達を見て、泣きそうな顔をしていた。自分が不甲斐ないからと責めていた、そんな主をお前は拒んだんだ」
「……っ……………僕は行く資格なんて無い」
光坊は広間を出ていった
それから俺は真っ先に探しに行くと言った刀達の捜索隊を作った
グループ1が俺、貞坊、愛染、蛍丸、鯰尾、獅子王
その2が青江、小狐丸、鳴狐、五虎退、薬研、江雪
その3が和泉守、堀川、陸奥守、厚、乱、太郎太刀
その4が同田貫、平野、前田、小夜坊、今剣、骨喰
このメンツで裏山に向かった
残りは光坊の事と本丸のことを頼んだ