第82章 第一印象は重要
「主君、いち兄の所へ行かれましたか?」
「…まだです」
「なら主さま、いち兄の元へ行きましょう」
二人に連れて行かれていち兄さんの所へ行く
「おや、どうしたんだい?二人とも」
「主さまを連れてきました」
「そうだったんだね。ありがとう。主、こちらへどうぞ」
「ありがとうございます」
「そんなにかしこまらなくても。前の貴方は自然に接してくれていた。今の貴方は距離を感じるのです。記憶というのは難しいものですね。責めるつもりはありませんが、敬語なんて外して欲しい。みんなそう思っています」
「すみません、何もわからなくて。頑張りますね」
「無理をしないでください。困ったらいつでも頼ってくださいね」
「ありがとうございます」
私は笑顔で言ったけど笑顔ができていたかはわからない
私はみんなに申し訳ないと思う
記憶をなくしてしまった自分が憎い
早く思い出さなければと皆の少し寂しそうな顔を見てそう思った