第82章 第一印象は重要
それから少し月日が経って、佳奈が意識を戻して本丸に戻る日がやってきた
皆今か今かと広間に待機をしていた
襖が開いてこんのすけと佳奈が入ってくる
そして席に座った
でも、佳奈は俯いたままだ
「大将!!!オレ、本当にっ申し訳ないことをした、でもっ大将が、生きていてよかった」
佳奈の顔が上がり、厚は佳奈の目の前に座って言った
ただ当の佳奈は微笑んでいるだけだ
「主、帰ってきてくれてありがとう。生きててくれて安心した」
山姥切も厚の隣に座りそう言う
「……わ、私、記憶が無くなっちゃったみたいで、私、あなた達のこと分からないんです。自分の名前以外わかんないんです」
その言葉に皆は固まった
「おいおい、そりゃどんな驚きだ?俺たちを驚かせようって魂胆かい?」
「…ごめ、なさい…不快、ですよね。ごめんなさい。私、少し席を外します」
佳奈は広間を出ていってしまった
"審神者様の言ったことは本当でございます。審神者様は皆様の記憶もここになぜ居るのかということも全て忘れてしまってます。ですが、政府は本丸を運営させねばいる意味が無いと言い出し、記憶を戻さないまま今日帰ってきてしまいました"
「………記憶がない………僕達の?」
光忠は信じられないと言った顔で言うも、こんのすけは淡々と説明をする
光忠は広間をでて佳奈を探した