第10章 信
「あの、なんで私のことをみんなに話さないといけないんですか」
刀剣男士全員の前でそう言い放つ。すると数珠丸さんが口を開いた。
「私は貴方のことを何も知らないのです。どこで生まれてどう過ごしてきたのかを。私と彼らは調べればわかるでしょう。ですが、貴方の事は貴方の口からでないとわかないのです。私達は貴方に使える刀ですから」
「要は信頼関係を強めたいのよ。アタシはアンタと家族みたいになりたいのさ……言いたくなかったんだけど、アンタがいた世界はもうアンタの存在が消えてるんでしょ?アンタはもうここに居るしかない。だからもう家族同然でしょ?なのにアタシはアンタの名前しか知らない。これっておかしいよねって思ったから聞くことにしたのさ」
二人の言葉は理解出来た。でも、私のつまらない話を聞いても時間の無駄では?と思ってしまう自分がいる。
「…みんな紙見たの?」
その一言に全員首を縦に振った。どうやら黙秘権はないらしい。
その光景を目の当たりにしてしまっては言わざるを得ないから、私自身のことを話すことにした。