第81章 困った時はポジティブに
血溜まりができ始めている佳奈を刀剣達でどうにかしようとしていると、政府の救援部隊の刀剣と役人が現れた
佳奈を見た役人は咄嗟に連絡をして佳奈の治療をするよう手配をし、本丸からは佳奈が居なくなり、刀剣達だけが広間に集まってこんのすけを囲むように座る
「………オレが、オレが大将を、殺した……オレがあの時、行かなければ」
厚は握り拳を作って唇を噛み締めて涙を堪えている
「主は、誰が行ったとしても同じことをしていただろう。こんのすけ、主が言ったことを吐け」
苛立ちを隠せない三日月がこんのすけを見据えた
"さ、審神者様は、“皆が傷つくくらいなら、私が殺られた方がいい。だから行くの“と言って私の制止を聞かず、行ってしまわれました。私は必死に止めました。審神者様は、“足でまといになるくらいなら、死んだ方がマシ“と言って部屋を出ていってしまった。私が不甲斐ないばかりに、申し訳ございません"
こんのすけは頭を垂れた
「………主は夢を見ていたそうだ。物凄く魘されていた」
「それは本当ですか、山姥切殿」
「ああ、どんな夢だったかは聞いていないがな」
「……実は自分も、以前主が物凄く魘されていた夢の内容を聞いたことがあります。この本丸が襲撃されて、主はダメだったと言っておりました。今回も、もしかしたらその事かと思われます」
「俺が最初に主と会った時、夢と一緒になってしまうと言っていた…」
「主は予知夢を見ていたってこと?」
山姥切と蜻蛉切と膝丸の言葉に加州が呟いた
「こんのすけ、主は予知夢を見れるの?」
"そのようなことは私は聞いていません。ただ、敵が何故ここの場所を掴んだのかというのは、審神者様がそのような夢を見ていたからと検証が出ました。以前、審神者様が時間遡行軍に堕ちかけたと聞いております。それも今回の原因かと"
「主は人間ではないのか?」
歌仙の言葉に刀剣達は息を飲んだ
"審神者様は人間です。ですが、時空を超えてこちらへ来てしまった。我々政府も時空を超えてきた人間は初めてなものでそれも一因としてあるかと思われます"
こんのすけはそう言うと、政府へと戻ってしまった