第80章 悪夢を見ると寝起きは悪い
「例えあやかしであろうと、恐るるに足らず!」
立ち竦んでいると目の前に膝丸がいて刀を私の後ろの敵に突き刺している
「主、何故ここにいる!審神者部屋へ戻ってくれ、ここは俺達が何とかする」
「ううん、戻らない。夢と一緒になってしまうから」
「主!馬鹿を言うな!ここは戦場になってしまっている!」
「膝丸、何騒いでるんだ?………主!きみは戻れ!!」
鶴丸が膝丸の後ろから来て私を見るとそう言う
「何かあったか!?」
厚くんが来て私を見ると真正面に来た
「大将!俺たちでなんとかするから!戻ってくれ!」
「ごめんね、厚くん」
「大将っ、なにをっ、やめろ、やめてくれ!!!やめろ!!!!」
厚くんの大きな声に何事かと、敵を一掃してきたであろう刀剣達が走ってきた
私は厚くんの刀を手にしている手を握って、無理矢理刀を奪いそのまま自分の胸に突き刺す
「………わたしが、居なくなれば、敵はいなくなる、でしょ」
痛くて堪らなくてだんだん視界がぼやけてくる
血がドクドクと流れ出てて、目の前の厚くんは震えていたけど私は厚くんを撫でる
私のこの行為で敵は私が死ぬと悟ったらしく敵が消えていったみたいだった
遠くからいろんな声が聞こえてきた
「厚くん、ごめ、なさ、ぃ」
「大将、なんで、どうして、大将、大将!!!!」
「主、主、起きろ、寝るな!起きろ!!!」
厚と鶴丸が床に倒れ込んだ佳奈を揺さぶるも、全く意味もなくただ血を流すだけだった