第80章 悪夢を見ると寝起きは悪い
なんでこんなことになっているんだろう
目をつぶって私は踞る
夢なら覚めて
そう思っても音は相変わらず止まなくて
皆の声が聞こえてわけがわからなかった
なんで、どうして
暗闇が支配する
私は何をすればいいのか
主がこんな所でのうのうとしていていいのか
でも戦うなんて言う経験が無いから弱いし、出ていっても足でまといになる
みんなの足でまといになるくらないなら、潔く殺られた方がマシ
敵の狙いは総大将の私
私さえ消えれば皆は傷つかなくて済む
いろんな考えがぐるぐるとひしめき合っていた
でも行動しなきゃ意味が無い
私は無理矢理扉を押して出た
襖を開けようとしたらこんのすけが止めに来た
"審神者様!おやめ下さい!!何をしようとしているのですか!"
「……皆が傷つくくらいなら、私が殺られた方がいい。だから行くの」
"じきに政府から救援がきます!決して行かないでください!!敵はあなたを狙っているんですよ!それに貴方が亡くなったりでもしたら、皆様悲しみます!!このこんのすけも悲しいですのでお止め下さい!!!"
「どうして?私夢を見たの、まんばちゃんと光忠が折れて、本丸が紅に染まって……足でまといになるくらいなら、死んだ方がマシ」
私は強く言って襖を開けて飛び出した
音のする方へ行くと、禍々しい雰囲気をまとったゲームの中でしか見たことの無い敵が刀を振るっていた
本丸の至る所から火の手も上がり、初めて見る光景に目を奪われて動けなかった
そして後ろから刀を振り下ろされているのにも気づかなかった