第78章 ぶつけ合いは必要
「まんばちゃんには、敵わないな………なんでも見てたんだね」
「佳奈のことは俺がこの本丸で1番古くから知っているんだ。だから、俺にも本心を打ち明けろ。俺も助けになる」
まんばちゃんの言葉は暖かくて、心が落ち着いてきた
「……私、この本丸の誰にも言ってないことあるんだ………」
私まだこの本丸のみんなに話していないことがある
それを打ち明けようと思った
「私ね、1度、本気で死のうとしたことがあるの」
私の言葉にまんばちゃんは目を見開いていた
「何もかもダメになっちゃった時、どうしたらいいかわからなくなって、私は夜中に家を飛び出してた。そして、警報機が鳴る踏切にずっと立ってた。電車が来てこのまま死ぬんだなんて思ったの、でも、無理だった、急に怖くなって、踏切からでちゃったの。たまに今でもそれを思い出すんだ………さっきも、消えちゃいたいって思った、このまま、こんなことになるなら、死んっ」
私は言葉を紡げなかった
まんばちゃんは私を離すまいとギュッと力を込めて抱きしめてきた
「ここでは、そんなことはさせない。死にたいなんて、思わないでくれ………とりあえず、和泉守と燭台切と髭切たちと話をしよう。あんたは居るだけでもいい。お互いの気持ちは言わなければわからないからな。付喪神といえど心は読めない」
「ごめんなさい、こんな私で、ごめんなさい」
「そんなこというな、俺はあんたを信頼している。だから俺達にもっと頼ってくれ。甘えてくれ」
私はまんばちゃんを抱き締め返してお互いに離れた