第77章 隠した気持ち
その頃髭切の部屋には当の本人と膝丸と加州と宗三と後から来た大倶利伽羅がいた
「兄者が申し訳ないことをした。すまないと言っても許されないとは思うが、俺達は昨日顕現したばかりだ。迷惑をかけると思うがよろしく頼む」
「僕は思ったことを言ったまでなんだけどなぁ」
悪びれもなく言う髭切に膝丸は困惑していた
「髭切、この本丸は皆主のこと好きなんだよ。でも、主は審神者だからって、一振だけを愛そうとはしないんだ。自分の気持ちを押し殺してる」
「加州の言う通りです。でも、見ていていいものでは無い。だから僕達は先程話した通り主と燭台切をくっつけようとしたんです」
加州と宗三がそう言う
「……だからって、何?実質、主と燭台切は何も無いんでしょ?なら僕は好きにさせてもらうよ」
そう言いながら穏やかに笑う髭切に大倶利伽羅が机をバンっと叩く
「好きにするのはいいが、主に無理強いをするな。これだけは言っておく、新参者と言えど容赦はしないからな」
髭切を睨むように言うと、髭切はそんなことも気にせずにいた
「わかってるよ。そんなに怒らないで、大倶利伽羅。この本丸に来て皆とも仲良くしたいし、もちろん主ともね」
「髭切もそう言ってくれるなら俺も何も言わない。でも、大倶利伽羅の言ったことは守ってね」
加州は仲介するよう言った
「この本丸の決まり事を僕から教えましょう」
宗三は身を乗り出して決まり事を教え始めた