第1章 イケメンは正義
二人の元へ行くと飛びつかれた。
「あるじさま!おかえりなさい!」
「待ちくたびれたよ?主さん!」
「えーっと、今剣くんと乱藤四郎くんでイインデスヨネ?」
意味がわからなすぎて片言になった。これは仕方の無いことだと思う。
だって普通では考えられない、ありえない事が目の前で起きているんだから。
「はい!よしつねこうのまもりがたななんですよ!どうだ、すごいでしょう!」
「う、うん」
「主さん…ねぇ、ボクと乱れたいの?」
「オーケーわかった、もう私キャパオーバー、オーケー?」
「あるじさま、とりあえずなかへいきましょうか」
私の言動に気にしないまま、今剣と乱藤四郎は笑顔を向けていた。
そして2人は歩き始めて咄嗟について行くと、見覚えのある庭が目に入り、目の前の襖が開く。そこには私が夜な夜な鍛刀して手に入れた刀剣男士が何人かいた。
そして短刀君たちが一斉に飛びかかってきた。
「うわぁ」
盛大に尻餅をつく。尻餅をついた私の周りを白い虎が駆け巡ってる。
「こらこら、主が困っているよ」
あまり状況に理解が追いついてない中、声の方を見ると粟田口のお兄さんが目に入った。
「だ、大丈夫ですよ、一期さん!!!弟くんたち可愛いしもう大好きですから!」
一期一振に答えたが、短刀君たちが主とか大将とか言って、私の声が伝わったのかは分からないまま、五虎退の虎が顔に覆いかぶさってきた。
「く、くるしい」
「ほら、主が今にも窒息死しそうだ。五虎退、虎を退けて」
「す、すみません、あるじさま」
「大丈夫、とりあえず大丈夫だから」
どうにか一期一振が五虎退に指示をして虎を退けてくれたが、虎って意外と重いんだなと、大分ズレたことを考えたのは内緒。