第76章 酒の過ちは誰でもあるはず
それから広間に集まってたみんなが席に着くのを待って、私は土下座をする
記憶失くした挙句、刀剣達に暴力を振るって手入れ部屋送りにして、暴言を吐いて、しまいには顕現したばかりの髭切に介抱されたと聞いて、今までこんなにやらかしたことのない私は懺悔した
「ごめんなさい。本当に本当に申し訳ございませんでした。もう酒は飲みません、すみませんでした。本当にごめんなさい。ごめんなさいで済まないですよね。私に罰を与えてください。何でもしますから。本当になんでもするので、文句なりなんなり言ってください、本当に申し訳ございませんでした」
土下座しながら大声で言い切った
怖くて顔なんてあげられない
広間が静かすぎて怖い
皆怒ってるんだ
そう思うと自分の心臓の音が聞こえてくるだけだった
当の刀達は突然土下座をして懺悔し始めた主に、驚きすぎて目を見開いていた
"おい、誰か主を起こしてこい"
同田貫が小声で言った
"山姥切、初期刀なんだから、主起こしてきてよ"
大和守が山姥切に願うように言う
"こんな時ばかり、初期刀と言うな!!写しの俺には無理だ、三日月、頼む"
"何故俺だ……俺は何も今回のことは関与してないぞ…なぁ小狐丸"
"お言葉ですが、私も何もしていません。数珠丸殿"
"私ですか………私は説法しかできないので私には無理です。和泉守さんと陸奥守さん行ってきてください"
"オレか!?ここはケアするとして粟田口の短刀の方がいいんじゃねーか?"
"そうじゃ!わし達が行ったところで良くなる気がせん"
"僕達に罪をなすり付ける気ですか!?"
秋田が曇りなき眼で言い放った
"そうですよ、元はと言えば2人のせいじゃないですか"
前田が鋭い眼光で言った
"……陸奥守、行くぞ"
"…………行くかのう"
2人は佳奈の元へ向かった