第73章 幼稚な自分
少し走って車は交番に着いた
車から降ろされ、恐る恐る交番に入った
目の前には下を向いて手を組んで椅子に腰掛けてる光忠の姿があった
「……光忠」
光忠は顔を上げると凄く安堵した表情をしていた
「…………佳奈…ちゃん…よかった……僕心配したんだよ。ごめんね、僕も悪かった。よかった………本当にありがとうございました」
「なんだ、よかった。見つかってよかったね。旦那さん、もう奥さんになる人を離したら駄目だよ?まだ2人は若いんだから、感情で動くかもしれない。でももっと冷静にね。俺はそれで元嫁に子供と別居されて離婚してるから」
交番に居た警察官がそう言っていた
「長嶋さん、そういうのいいです。この方達に貴方の不幸な話聞かせるのやめてください。それに君、結婚してるなら彼氏じゃ無いでしょ」
「桂川、それは照れ隠しに決まってるだろ。だからいつまで経っても彼女出来ないんだよ」
私を連れてきた警察官もとい桂川さんと長嶋さんが話し始めた
「悪かったですね、女心が分からない男で!お二人さんお幸せになってください」
「とりあえず一件落着だな。旦那さん、しっかり奥さんの事頼んだよ、俺みたいになるんじゃないぞ」
「もちろん、死ぬまで離しません」
光忠は私を見ながら言った
「旦那さん、奥さん少し借りるよ」
交番の警察官もとい長嶋さんは私に耳打ちしてきた
「旦那さん、すごい血相で奥さんが居なくなったって駆け込んできたんだ。僕が悪いってずっと言っててね、話を少し聞かせてもらったけど旦那さんになる人を信用してあげなね」
なんて言われてしまった
それから手続きをして光忠は私の手をしっかり握って交番を後にした