第73章 幼稚な自分
振り向きざまに光忠はその男にひと睨みを効かせ
「金輪際、この子と会わせることはしない。いや、会えないが正しいかな」
怪しく光る目をぶつけ、その男は動くことは出来なかった
そしてその男から佳奈に関する記憶が全て失われていた
「政府の不備かな?この世界っていろいろあの世界と繋げるの不安定みたいだから、怖い思いさせちゃったね、少しあのベンチに座ってて」
光忠は私を支えながら歩くと公園に着き、ベンチに私を座らせると光忠はどこかへ行ってしまった
あの男の人に言われたこと全て本当の事で、光忠に全てを聞かれたなんて辛かった
胸の奥が痛くて、どうしようもなかった
「おまたせ」
光忠が戻ってきて冷たいお茶のペットボトルを渡してくれた
「僕は気にしてないなんて言ったら嘘になるかな。でもね、君の過去があってこそ今があるから、大丈夫だよ。何も心配しなくていい。それより許嫁とか奥さんとか言ってごめんね」
なんであんなこと言っちゃったんだろなんて言って笑った
受け取ったお茶を飲んで心を落ち着かせた