第73章 幼稚な自分
「お前誰だよ!」
「佳奈の許嫁って言えば分かってくれるかな?この子は僕の奥さんになる人なんだ。止めてくれないかな?」
「っんだよそれ、佳奈、お前が今までやってきたことこいつにバラしてもいいんだぞ?男癖悪いクソ女が」
違う、なんで、あなたが悪かったじゃん
ことある事に私に金貸してとせがんできて返してくれなくて、お金渡さないと暴力振るってきて
なんでそんな言われ方しないといけないの
「お前知ってるんだからな、俺と付き合ってる時他の男のとこ行ってたの。そいつんとこで股開いてたのも知ってるからな」
「やめてっ……ください…………あなたが、貴方が暴力振るったじゃん。あの人は私を助けてくれたの。でも、私を助けたんじゃなかった、あの人は体目当てだったの、無理矢理ヤられてっ」
「んだとこのクソが、ヤったことには変わりないだろ?お前ほんとクズだな、ありえねぇ」
”お前クズだな。ありえねえ、死ねばいいのに”
脳内で過去に言われたことを思い出す
「ごめんなさい、ごめんなさい、許してください」
私は震えながらそう呟く
過去に振るわれた暴力を思い出してしまって、いつその手を振り上げられるんじゃないかと思った
「………黙って聞いていれば、なんて事言ってくれてるの?僕はこの子の全てを受け入れたんだ。そんなちっぽけなことだけじゃ僕は動じないから。君、醜いよ?分かってる?」
いつになくとても低い声で言った光忠は私の肩に手を置いた
少しビクッとしてしまった
耳元で大丈夫と言ってくれた
「君さ、負け犬の遠吠えもいいところだよ。今更やり直そうなんてお門違いだから、早く消えなよ……さ、行こうか」
光忠は私の肩を抱いて踵を返した