第73章 幼稚な自分
ホテルを出て街を歩いた
お土産を見にターミナル駅に行き、大人数だからお菓子を買っていくことにした
「佳奈ちゃん、これなんかどうかな?」
たくさんのお菓子がありすぎて迷っていると光忠がたくさん入っているお菓子の詰め合わせを指さして呼んだ
「わぁすごい!これいいかもね!これにしよ〜」
私は店員さんにお菓子の箱を8箱頼んだ
店員さんは光忠をずっと見ていたけど光忠はそんなことお構い無しに色んなものを見ていた
そして包装が終わって大きな紙袋4つを渡され光忠が受け取る
「私も持つよ」
「大丈夫。こんなの軽いからね」
「……ありがと」
そんなやり取りをして駅を出た
懐かしい街並みに私はいろいろ思い出していた
「難しい顔してどうしたの?」
「ううん、少しね、思い出してただけだから」
「過去の男とか?」
「それもあるけどね、あーもう思い出すのやめる!だって光忠がいればいいんだから」
光忠を見てそんなことを言っていると、その視界の奥に過去に出会った男の人が歩いてきた
「光忠、行こ」
「う、うん」
「佳奈!」
そういった矢先、声をかけられた
どうして、私の記憶消されたんじゃないの
「お前今までどこ行ってたんだよ!!!心配したんだ。佳奈、やり直そう、俺が間違ってた、頼む!」
なんで、なんで、私の事知ってるの?
どうして?
私の頭には疑問しか浮かばなかった
「ほら!行くぞ!」
男の人は私の腕を取る
「君、止めてくれないかな?佳奈が怖がってるんだ。それにいきなり女の子の腕を取るのはいけないよ」
何も言えない私に光忠が間に入ってくれた