第70章 燭台切光忠の想い
会社をクビになって勘違いして、僕に飛び蹴りをして目の前で泣いた時は何が起こったのか分からなかった
まさか自分より小さい人から飛び蹴りを食らうなんて思ってもみなかった
何となく佳奈の過去を知りたくなって、泣きそうになりながらも過去のことを話してくれた時は佳奈を少しでも知れて嬉しく思った
そのあとの宴で僕と伽羅ちゃんのやり取りを見て爆笑してた君を初めて見て、いろんな表情を見せてくれるのが面白くて、これからいろんな表情の君を見るのが楽しみだった
佳奈が寝落ちしてしまって皆も雑魚寝を始めて、僕は彼女を抱っこして別の部屋に運んだ
最初は見てるだけで良かったのに、気づいたら髪に触れてた
お酒の抜けない少し酔った勢いで君を抱いてしまった
嫌われたらどうしようと不安だった
なのに君はありがとうと言った
僕は拒絶の言葉を待っていたのに拍子抜けした
君が誘拐された時は心臓が止まるかと思った
このまま消えてしまったらどうしよう、僕はどう生きていいけば良いのだろうと思うようになっていた
このまま僕の元から離れないようにと結界を張ったら、恐怖の方が勝ったのか泣いてしまった君を見た時はやってしまったと思った。なのに僕から離れてしまうのが怖くて止めることが出来なかった
僕のお願いを聞いてくれて本当に貞ちゃんと鶴さんに合わせてくれた時は嬉しかった
君は本当に優しくて努力家なのになんで前の世界の人達は君を拒んだのか分からなかった
許せなかった僕の主をズタズタにした前の世界の人達が
鶴さんの作った落とし穴に落ちて、目が覚めなかった時は今まで感じたことのない気持ちが溢れてきた
もしもここで死んでしまったら僕も折れようと
でも君はしっかりと生きててくれた
それだけでも嬉しかった
みんなでDVDを見た時、髭切くんを見てた主に嫉妬した
あの時は本当に嫉妬してた
自分でも笑っちゃうくらいに