第8章 突然のクビ宣告
「これ、よく見てくれる?」
光忠に差し出された紙を凝視して固まる。そこには私が働いている会社の名前と、解雇という文字が書かれていた。
「…クビ?わたしが、クビか……仕方ないか、お荷物社員だし」
私のお荷物社員という言葉に彼は怪訝そうな顔をしている。
「政府の人達が直々にここに来てね、これを置いていったんだよ。親展とも書いてないから近侍の僕が読ませてもらったんだけど」
「私ここに居ることになるのね」
「そういうことだね。僕は君と居られて凄くうれしいよ」
いやいや待て待て?
1回落ち着こう、深呼吸しよう?
「無断欠勤が問題もあるけど、一番の問題は会社の人員削減だったみたいだね」
「記憶無くしたい……」
「そんなこと言わないの。でも無くしたいなら無くそうか、物理的にね」
「怖いんだけど…やっぱやめとく」
「じゃあ、今日の夜、僕とイイことしよう。君の命を助けたんだから」
断れない条件を突きつけられて私は、はいとしか言えなかった。