第8章 突然のクビ宣告
水無月さん、これ今日中にお願いします。
佳奈さん、こっちもお願いします。
佳奈さん、水無月さん、水無月さん、佳奈さん、水無月さん!!
息苦しさに目を開く。目が覚めた場所はお風呂の中ではなく布団の上だった。
目覚めの悪さに起き上がる気にはなれない。夢の中で職場の人たちに名前を呼ばれて、仕事頼まれてっていう夢に嫌気がさした。
どうせ仕事クビだろうな。今更こんな夢見るなんて意味わかんない。
なんで布団の上にいるんだろう。それすらも意味がわからない。
今更もう自分の現実世界に戻っても、どうせいらないとか言われそうだし、でもここに居ても2人と関係もったから若干辛い……軽く記憶消し去りたいなんて思った。
「君は何でこうも僕達を心配させるのかな?かっこがつかない主なんて初めてだよ」
部屋の隅で影が動いたと思ったら、私の視界に入るように来て起こしてくれた。
「…光忠?なんでここに」
「命の恩人に感謝しないなんて、本当に酷いね君は。湯浴みで寝て意識なくなった君を見た時は心臓が止まるかと思ったよ。そういえば、こんなのがとどいていたよ」
光忠の言葉が右から左に通り抜けていった。
命の恩人、風呂、見た
え、まってまってまってガッツリ裸見られたってこと!?
目の前の彼を凝視して固まっていると、手に持って私に差し出した封筒を開けて中に入っている紙を私の目線の高さまで持ってきた。