第68章 驚きと楽しいこと
「佳奈には辛い思いさせちゃったね。ごめんね。僕は佳奈のことが好き否、愛してるが正しいかな?だから、これからも君を支えると誓うよ」
「……光忠、私も、私もねっ」
言おうとしたら人差し指が唇に置かれた
「僕の気持ちだけを受け取って。人間と刀は生きる時間が違う。人間は老いるけど僕は刀。見た目は何も変わらなし老いも来ない。言いたいこと、わかるよね。一時の感情で、君の人生を壊したくないんだ」
光忠の言葉に私の心臓は音を立てる
そっか私には寿命っていうリミットがある
光忠は刀だから寿命がない
こんな残酷なことってないよ
好きになった人が刀だって私は良いのに
「人の子は人の子らしく人生を歩んでほしい。僕は刀の付喪神だからね。はは、笑っちゃうよ。昔はこんなに執着なんてしなかったのにな……おかしいよねこんな事言うの。君を傷つけるだけなのに」
「………っ、光忠の事が全て好きです。ずっとずっとこの感情は胸の奥に閉まったままにしたのに、心が苦しくて、胸が痛くて、なのに、押しとどめてたのに、皆の主だから、贔屓しちゃいけないのにって、」
ぎゅうっとあたたかい温もりに包まれた
「これ以上言わなくていいから。ごめん、佳奈、残酷だよね。僕達の戦いが終わったら、君は人と幸せになって欲しい。戦いが終わったら僕達は多分いなくなってしまう。だから、ね」
「……光忠が好きなの、この気持ちは変わらないから、だからお願い、付き合うとか人間地味たとこしなくていいから、私の気持ちも知ってて、体目当てだけでもいいから」
「………誰が体目当てって言ったの?ねぇ、佳奈、君は自分を大事にしなさすぎだよ。流石に今の発言は僕は怒るよ。過去にそういうことがあったかもしれないけど、今は今だよ。だから自分を大切にして」
私は光忠の腕に抱かれたまま涙を流した