第68章 驚きと楽しいこと
「何も変わってないんだなぁ……なんか安心した」
安堵の言葉を発すると光忠は私に触れるのをやめて、色々見に行こうと言い部屋をあとにして電車に乗った
光忠は背が高いから目立つかなって思ったけど、都心じゃそんな心配はなかった
「さてと、少し歩こうか」
オフィス街の最寄り駅で降りると、私の会社の方に向かって歩き始める
辛く通ってた会社の道のりは当時を思い出すのには容易だった
光忠の手を握る力が強く、大丈夫だよと言っている感じがした
「ぁっ」
佳奈が小さく声を発する
握った手は少し震えていた
「どうしたの?」
「……ううん、何でもない、あっち行こ」
光忠は佳奈の見た方向を見ると中条悟が歩いているのが見えた
「………佳奈、ちゃん。ごめん、嫌なこと思い出させちゃったね…この先抜けたところに行きたかったんだけど…遠回りしよっか」
「ごめんなさい」
「なんで謝るの?大丈夫だよ。さて、ここ抜けてガーデンプレイスに行こう」
この前政府から取り寄せたDVDで見てたドラマに出てたから行ってみたかったんだと言っていた
光忠が言ったところは私に彼氏ができたら1度行ってみたいなと思っていたところで胸が高鳴った