第57章 やり直す
「はぁ、はぁ、っ、はぁ」
抑えられていた視界が開け、電気の明かりが眩しかった
長谷部は離れ、太郎太刀が背中を支えて摩ってくれて座り直した
「主、ねぇ、なんでやり直したいなんて言ったの?」
清光は佳奈の目の前に座りそう言った
「……………」
真紅の瞳が私を見つめて離さなかった
それが怖くて言葉が出てこない
「あるじさん、やり直したいなんて思わないでよ。ボクたちと離れ離れになりたいの?違うよね!違うって言ってよ!ねぇ、あるじさんっ」
乱が私の肩を掴んで涙目で訴えた
「乱、そこまでにしろ。主、貴女は頑張りました…加州、乱、空いてる部屋に移動するぞ」
長谷部は私の頭を一撫ですると清光と乱を連れて出ていった
「………ごめんなさい、私、そんなんじゃ」
「審神者が過去をやり直したいという強い感情を持ってしまうと、堕ちてしまうと聞いたことがあります。それが本当だったとは……お願いですから、そのようなことを思わない様にしてください」
「………ごめんなさい」
「わかればいいのです」
そう言うと太郎太刀は背後からまた目を塞いできた
唇に柔らかい感触が当たった