第55章 いろんな意味で追い込まれる
暗闇が白い色に変わって目が覚めた
辺りを見回すも鶴丸は居なく、昨日の行為が嘘だったかのように服は綺麗に着せられ布団も湿っていたりはしない
だがズキズキと痛む腰とお腹は嘘ではないということを物語っている
「主、起きてる?」
襖の外から声がして返事をしようとするも、掠れて声が出しにくく、そうこうしてるうちに襖が開いた
「ごめん、寝てるのかと思って開けちゃった」
光忠がご飯の乗ったお盆を持って、入ってきたのが布団の中から見えた
「本当はこんなこと言いたくないけど、僕の部屋ってここの部屋から一番近いから、喘ぎ声、少し聞こえたよ。気をつけてね」
光忠のその言葉に頭が真っ白になった
喘ぎ声少し聞こえた
………やべえ、非常にやべえ
返す言葉が見つからねえーよ!!
「腰とか股関節とか痛いと思うから、すぐに何かあったら言うんだよ」
「………光忠、なんで、そんなに詳しいの」
「パソコンで調べたんだ。前に佳奈を抱いたあとに。女性にどれだけ負担があるんだろうとか、いろいろ調べてたんだ。だから、ね。大事な主だから」
!?!?調べた??え、なにすごすぎね?
言ってることイケメン過ぎるけど
いろんな意味でやばいし普通に焦るわ
「今日はとりあえず僕達だけでなんとでもなるから、主は療養ね。明日から本腰入れていこう」
そう言ってお盆を置いて光忠は部屋を出ていった