第49章 募る不安
1週間も目を覚まさない主に、本丸内の空気はどんどん沈んでいっていた
ただ佳奈の霊力は刀剣たちには感じられて、佳奈が生きている事実だけが重く突き刺さっていく
「ごめんな、佳奈」
毎晩鶴丸は佳奈の元へ訪れ、手を握り謝罪の言葉を述べていた
「なぁ、俺は本当にここにいていいのか?俺のせいできみは眠ってしまった。なんでもする、お願いだ、起きてくれ」
縋り付くように何度も何度も呟いていた
力加減もだんだん分かるようになってきて、最初みたいに力強く握ることをせず、指と指を絡めあわせて緩く握り、鶴丸自身の頬に佳奈の手を当てた
「鶴さん」
襖の外から声がかかった
「……光坊か」
「明日、出陣でしょ?はやく寝ないと支障をきたすよ」
「あ、あぁ、今行く………主、また明日な」
鶴丸は呟き部屋を出た