第47章 分担
一方粟田口の部屋とは別にある医療関係の物を置いてある薬研の部屋には、布団に寝かされ呼吸器をつけられた佳奈が横たわっていた
「薬研、よくそのような面妖なマスクがあるんだな」
「呼吸器のことか。主がここに来る前、万屋に行って医療の所に面白そうなものがあると思って買ったんだ。もしも手入れ部屋が使えなくなった時とかにも対応できるように、こういう類のものは買ってあるんだ」
三日月の問いに薬研は物を見せながら答える
鶴丸は眠る佳奈の手を固く握りしめていた
「佳奈すまん、本当に申しわけない、何でもするから、目を覚ましてくれ」
「鶴丸殿、そんなに主の手を変色するまで握られては手の骨が折れてしまいますぞ」
「あ、あぁ、加減が、分からないもんでな………」
一期一振が仲介し、鶴丸は力を弱めた
「入ってもいい?」
外から声がして薬研が答えると加州と大和守と蜻蛉切と大倶利伽羅と歌仙が入ってきた
「な、何があったんだ……これは、主は」
「見ての通りだ。とりあえず呼吸は戻った、脈も正常だ。歌仙、落ち着け」
「薬研、本当か?見るからに青白い顔してるじゃないか!」
「主、主、死んじゃやだよ」
「ねぇ目を覚まして、なんで、寝てるの、主、起きてよっ」
「すまんが、静かにしてもらえるか。これから広間で主が行っていた仕事の分担をしようと思う。初期刀である山姥切、この本丸に古くから居る俺、五虎退、骨喰藤四郎、蜻蛉切、それから岩融を中心に主が目覚めるまで生活していこうと思う。その話も広間でする。薬研は主の様子を見ていてほしい」
「わかった、三日月、本丸のことは頼んだ。俺は大将を看る」
「あいわかった。鶴丸、加州、大和守、主は大丈夫だ。広間へと参ろう」
三日月の言葉に薬研以外は広間へと集まった