第46章 加減
掘り進めていると柔らかいものに触れ、それが手だということがすぐに分かった
「鶴丸、兄弟!いたぞ、手に触れた。俺が引っ張り上げるから二人は掘ってくれ」
「わかった!」
「了解!」
主の腕が抜けるんじゃないかという勢いで引っ張りあげ、二人がサポートしてくれたお陰で主を助けることが出来た
主は泥まみれで顔に付いている土を払い落とし、呼吸を確認するも弱く兄弟が手首に触れ脈というのに触れるも弱かった
上へ向かって鶴丸が声をかけると、俺たちは引き上げられ一期一振が主を抱き上げ薬研の元へ連れていくのを見送った
長谷部が鶴丸の元へきた
「鶴丸国永、主にもしものことがあったら、どうする…やっと会えた主だ。貴様は来たばかりだから分からないだろうが、この本丸に最初は主は居なかったんだ。ある日突然、主がここに来た、だから主が居なくなってしまったら、この本丸は終わってしまう」
「………本当にすまなかった。許せとは言わない。俺を折れ…また新たに顕現してくれと主に伝えておいてくれ」
それを聞いていた三日月が口を開く
「鶴丸、この本丸には2振り以上同じ刀は居ないんだ。主は俺達を顕現してから破壊なんて1度もしてこなかった」
「………それはどういうことだ」
「主は僕達のことをとても大切にしているんだ。だから刀解してくれと頼んだ刀もいたけど主は決してしなかった。だから鶴丸さん、主に破壊してくれなんてことは言わないであげてほしい。とりあえず見守ろう」
「………にっかり」
「鶴さんのしたことは許されないことだけど、顕現したばかりだし加減が分からなかったんだよね。僕も皆も顕現したては力加減がわからなかったんだ…大丈夫。主は生きてるから」
「………光坊」
「さて、そろそろ戻るとするか。主も無事救出された。俺達が暗い顔では主が目覚めた時に心配してしてまう」
三日月が集まっていた刀達にそう言い部屋へと各々戻って行った